世界的なトランペット奏者、日野皓正氏が教え子にビンタした話題が連日報道されています。

それを受けて、日本テレビの年末恒例番組『笑ってはいけない○○』に出演していたプロレスラー、蝶野正洋さんに『今回は出演オファーが来ないのでは?』という記事が今週発売のFRIDAYに掲載されました。

番組内では毎回、蝶野さんが芸人に理不尽な理由でビンタするのが定番になっています。

僕は思いました・・・おかしな話ではないかと。

 

 
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蝶野正洋、と言えば90年代から2000年代初頭に活躍したプロレスラーであり、見た目からして”コワモテ”です。

そんな彼のビンタは見る限り、『あぁ、この人プロレスラーだからな・・・』と思えますし、プロレスラーと知らなくても、番組内のビンタは日野氏の”指導上”のビンタとは違うとわかるはずです。

 

そう、明確に違うのです。

蝶野さんのビンタは言うなれば、プロレスラーの”技”、もしくは芸人の”芸”に近く、日野氏のビンタは”指導”ではないでしょうか。

『暴力反対。体罰を肯定しません。だから、テレビでビンタするのは暴力、体罰を助長するものになる』という理論でしょうが、番組内の蝶野さんのビンタを見て、『俺も他人にビンタして良いんだ』などや『ビンタしてみてぇ』と思う人がいるでしょうか?

あれを番組上の”演出”と捉えれない人間がいるとは考えにくいです。

「いやいや、子供はすぐ真似するから…」と思われるかもしれませんが、それなら日野氏のビンタの方が怖くないでしょうか?

指導の名の元に行われる”暴力”。

それならば、プロレスラーの”芸”として、怖そうな人が予想通り、怖い行動(ビンタ)した方がまだ怖くない気がします。

 

僕自身、20年来のプロレスファンです。テレビや雑誌、観戦でプロレスラーのビンタは数多く見てきました。

見たときは痛そう・・・と思います。

 

だが、同時にプロレスラーは『そういう事をしてもおかしくない』雰囲気を持っている事も分かっています。

プロレスラーですからね。

だから「プロレスラーはビンタして良い」という事にはなりません。

ただ、そういう雰囲気のプロレスラーがビンタすることは番組上の”芸”と認識できないはずないのではないでしょうか?

 

落語家が落語を披露し、歌手が歌を歌う、芸術家が作品を作るのと変わらないのでは?

プロレスラーも、ミュージシャンも共通するのは、『観客=(観自身の行動を見て、金銭を払う人)』がいる点です。

だから、プロレスラーはビンタをします。

確かに痛そう。

やられたくはないというのが本音です。

それは皆『百も承知』で、プロレスラーはリングで他人にビンタすると知っている。という事は、プロレスラーがリング外でのビンタ(テレビ番組でのビンタ)は予想できないできるはずですし、それを期待される部分もあるはずです。

 

日野氏の”指導”は違う。

 

 

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日野氏の”指導”は違います。

原因はその中学生なのかもしれませんが、ミュージシャンが他人をビンタする職業とは思わないし、それが”芸”ではないはずです。

ビンタする事で日野氏やその生徒の腕が上がるとは思えないし、ビンタする事すら予想はしにくい。

そもそもトランペット奏者にビンタは期待していません。。

日野氏の”強い指導”のあり方の可否を論じたいから、氏のビンタ騒動は驚きを呼び、話題になっています。

 

ならば、日野氏と蝶野さんのビンタは分けて考えるべきです。

それぞれに問題を提起するのならば、日野氏のビンタは『指導として生徒に適切か?』であり、

蝶野さんのビンタにあえて言うなら『あのビンタは強すぎないか?』ではないでしょうか?

 

蝶野さんのビンタが強すぎるから『やられる人が可哀想。だから今年は・・・』という話なら理解できます。

プロレスラーとしての”演出”ならば加減を検討すべきだ。様々な”考慮”もあり得る話です。

じゃあ、芸人カミナリの過剰な突込みはどうなってしまうのでしょうか。

 

事実、テレビのバラエティー番組に出るプロレスラーは皆『粗暴』、『乱暴』というイメージがないでしょうか?

それは昔から変わらない事です。

以前、アンドレ・ザ・ジャイアントという身長2メートル越えのプロレスラーがいました。

彼の功績はプロレスの世界に初めて”怪奇派”というジャンルを作り出した事です。

『一人と言うには大きすぎて、二人と言えば人口の辻褄が合わない』、『一人民族大移動』などと言われた彼は世間に『よく和かららないから怖い』というイメージを与えました。

判別しにくいから、怖い。

怖いから、強い。

そんなアンドレはプロレスラー。だから、プロレスラーは怖くて強い。

・・・こんなイメージ戦略の手法を編み出した稀有なプロレスラーであり、彼はどこに行っても稼げる”ドル箱”レスラーでした。

 

そこら辺りから、プロレスラーは自身のイメージを前面に押し出すようになっていきます。

ちなみに蝶野正洋さんは『乱暴者、すぐキレる、悪党』がイメージでしょうか。

それも言うなれば、彼の”芸”でしょう。

しかし、『日野皓正氏が生徒にビンタしたから、蝶野さんもしない方が良いのでは?』は比べる対象にならないと思ます。

 

震災が起きたから、震災をほうふつとさせるような作品が金曜ロードショーで放映予定だったけど流すのをやめた・・・という話とは別物だと僕は思います。

 

記憶に新しいところだと、アメリカ国の軍艦、イージス駆逐艦が衝突した事故を連想させるため金曜ロードショー「バトルシップ」の放送が3カ月程度延期されました。

理由は衝突事故を連想させるため。

これに対する意見としてはいろいろ。

 

 

バトルシップの放送延期は3カ月。

イージス艦衝突事故では7人の行方不明者が出ています。遺族・・・正確には遺族ではなく行方不明者の家族ですが・・・の悲しい思いを配慮して延期したということですね。

日野氏のビンタ騒動から「笑ってはいけない」までは3カ月以上の間が空いています。

もしも蝶野さんのビンタの演出をしないのであれば、日野さんからの過激な指導を受けた生徒が、その恐怖を思い出すため配慮されたということでしょうか。

 

このビンタ騒動と、イージス艦衝突事故は同じ土俵なのか。

僕は全くの別物だと思います。

だったらそもそも「笑ってはいけない」で笑ってしまった人に対するお尻への罰もダメなんじゃないでしょうか・・・。

先ほども言った過激な突込みをする芸人カミナリは?

誰でも頭をたたく浜ちゃんは?

ホントに何も放送できなくなっちゃいます。

 

 

そしてもう1点。

あなたに是非とも知っておいてほしいことがあります。

それは蝶野さんは「笑ってはいけない」でしかビンタをしないということ。

他の番組で蝶野さんが面白おかしくビンタをしているところを見たことがあるでしょうか?

もしも見たことがあるならば、それは受け手側がプロなはずです。

実は「笑ってはいけない」でも数々の手痛い突込みを受けたことがある山崎方正さんにしかビンタをしていません。

する側がプロであるならば、受ける側もプロでなければ危険な出来事が起こることを蝶野さんは知っています。

あの芸は、蝶野さんと方正さんの信頼関係があってこそ、成り立つ一芸なのです。

 

 

実は蝶野さんが日野さんの報道について語っているインタビューがあります。そこではこのように述べています。

蝶野

「そもそも日野さんのビンタは、(比較的安全な)首元もうまく捉えられていないうえ、予告なしでの往復ビンタ。手の甲が当たったら危ないし、不意打ちだと変なところに当たって脳震盪を起こす可能性だってあります。俺が一般の人、というか方正くんにビンタする時は、当たりどころは意識して、なるべく危なくないようにしています。日野さんのことは音楽家としては尊敬していますが、あんまり上手なビンタじゃないですね(笑)」
Yahoo!ニュースより引用

さらに、「ハグする手と暴力を振る手が同じ手ではいけない」という持論を展開し、こと教育に関しては絶対に手を上げるべきではないと主張しています。

そもそも蝶野さんは仕事以外では暴力をふるうことは絶対したくないそうで、芸人さんの突込みを見ることでさえ嫌な気持ちになることがあるそうです。

そういった経緯から、2017年の「笑ってはいけない」ではビンタをしないと宣言しています。

放送まで3カ月以上あるので、まだまだどうなるのかは分かりませんが、心優しい蝶野さんの事ですから、本当にビンタは見れないかもしれませんね。

何だか寂しいような気もしますが・・・。

 

果たして年末に蝶野正洋さんのビンタは見れるのか?

 
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