最近では少子高齢化が叫ばれている反面、電車の中やデパートでオシャレな服や靴に身をまとわせた子供の手を引きながら奔走する若い母親たちをよく見かけます。
晩婚化や雇用問題などといった問題が、あたかもなかったような光景には驚きます。
単純に最近は、化粧やファッションなど結婚後も興味を持つ意識の高い母親が多くなったせいでもあるとは思います。
それはおそらく出産前後も働いている期間が延びたことが起因していると考えられます。
そしてもしかしたらベビー服や子供服自体も、実は親たちの自己満足である可能性が高いです。
今回は子供服関連についてのお話です。
子供服業界の推移
さてまず最初に子供服関連事業は最近どうなのでしょうか?
ここ10年くらいでは、子供服関連販売店において全体で約5%ほど売上は下がっているようです。
そして業態別で見ると百貨店や量販店での売上低迷が著しく、専門店では増加。
ネット販売などの無店舗型では微増という少し意外な傾向です。
最近ではインターネットやSNSといったツールが頻繁に使われているため、大幅増加かと思いきやそうではないようです。
百貨店や量販店の現象はそれらのお店でのついで買いがなくなり、よりファッショナブルであったり良いものを求めて専門店へ流れているのでしょうか?
どうやら理由のうちの一つには、女性の職場にい続ける時間が延びたこととにあるようです。
子供服関連にはマタニティ服も含まれるようです。
妊娠中はお腹が目立たなくて、よりファッショナブルなものであったり通勤などに適したフォーマルな物が売れているようです。
さらに最近では経済的な事情から子供は一人しか産まないという家庭が多くなりました。
初めての子供だと慎重になり授乳期間が長くなったりして、必然的に季節ごとの授乳服が必要になります。
また、最近では子供服やベビーカーといった商品もカラーバリエーションが増えたりと、選択の幅が広がったこともありより専門店での購入が増えたのでしょう。
一方でまだまだ伸び悩んでいる通販などの無店舗型も、これからもっと参入企業が増え活発になっていくことが予想されます。
しかし、ネット通販といったような諸経費が限りなくかからない業態の場合は、飲食業のように業界全体を巻き込む価格競争のスパイラルに陥って、マイナスの効果を及ぼす可能性も同時に秘めています。
家族構成などの影響
そして専門店などの売上を後押しする要因はもう一つあると言えます。
それは家族構成や平均出産人数による要因です。
最近では経済状況や晩婚化が進み、子供は一人産めば良い方だと思います。
そうすると一人に対して使うお金は必然的に増えます。
さらに子供から見て祖父母からの支援も、当然厚くなります。
最近では圧倒的に高齢者が貯金を貯めこんでいるため、国がなんとか使ってもらおうと、孫への教育資金一括贈与非課税などの様々な税制改革を打ち出してきました。
そのような資金援助もあるのと同時に、やはり子供の親としても援助してもらったお金であれば、少しくらい高くても専門店でいいものを買おうと思うのが必然的です。
そして、購入する対象となる子供服に色々なバリエーションがあれば、なお購買力は増していきます。
子供服関連一つ例に挙げても、非常に多くの背景や事情が浮かび上がってきます。
人々の経済的要因、労働環境、社会の動き、税法の改正などなど。
逆に少子化が進んでいる背景には、このように親になる世代の方々の経済的な状況が変わってきたことや、その親の方々との付き合いが減り、援助してくれなくなった背景があるのも想像できます。
今、人々の生活や経済状況に限らず色々な分野において、大きな二極化が見られます。
そしてこれからはちょっとした変化でビジネスの運命も左右される時代です。
世の中の様々な出来事の動きに注視していきたいですね。