みなさんは木曽のお六櫛をご存知でしょうか。

日本に住んでいながら、日本の文化についてあまりよく知らない人が多いです。

そこで是非とも知って欲しいのがお六櫛。

 

 

 
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お六櫛とは

木曽のお六櫛は自然素材のみねばりと呼ばれる木を使った長野県の伝統工芸品に指定されている小さな櫛で、サイズは僅か10cm未満。

その幅に約100本の歯があるというのですから、驚きです。

 

みねばりの木は斧が折れる程堅いことから、別名を“斧折れの木”とも呼ばれています。

そんなみねばりの木は、カバノキ科の落葉高木で1mmの太さに3年もかかるほど、他の木材に比べ成長が著しく遅いことで知られています。

しかし、それが逆に密度の高い木質を生み出し、その独特の粘り気と共にお六櫛に最適な材質として、みねばりの木が選ばれ続けている所以でもあるのです。

 

櫛自体は縄文時代の遺跡での発見や古事記の中での描写などから、その歴史はかなり古いものであると推測できます。

古代の人々は櫛を不思議なこと、霊妙なことを意味する“奇し”と捉え、神聖な呪いの力がそこに宿り、己の分身だと信じていました。

これが櫛の語源になったとも言われています。

 

 

お六櫛の名前の由来は、江戸時代に旅籠屋の女性“お六”に因んだものだとする説が有力となっているようです。

当時、持病の頭痛に悩まされていたお六は、その完治祈願に訪れた神社でお告げを受け、それを実行したところ元気になったと伝えられています。

そのお告げとは、みねばりの木で手作りした梳き櫛で朝晩髪を梳かすことでした。

その後、その櫛を多くの旅人、御嶽神社や善光寺参りの人々に売り、次第に色んな所で名物として、またお土産として知られるようになったのが、お六櫛の始まりです。

 

  • 髪の汚れ(フケ、ほこりなど)を取り去り、頭髪を清潔にする梳き櫛
  • 髪を整えるための解き櫛
  • 結った髪に挿す飾り用の挿し櫛
  • そしてお相撲さんや時代劇、歌舞伎役者などの日本髪やちょんまげを結う結櫛

など、お六櫛の種類は大きく分けて4通り。

それぞれ歯の数や形状が異なります。

 

例えば、挿し櫛ですが歯数は一寸(3cm)当たり、約15~25本と細かい目の小型の櫛です。

赤塗(朱塗)、金摺絵付き、手彫りなどが特徴で、角が角ばった形状の京型、その京型の角を丸くした京丸形、全体が丸い形状で装飾性が強い丸形(姫型)、半月の形状をした月型などが主な種類となっています。

 

 

 

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お六櫛の工程

そんな髪に優しいお六櫛も職人の減少で、現在では機械製作に頼らざるを得ない状況に変わって来ています。

しかし、その仕上がりの差は歴然としており、制作に時間がかかっても匠の技で1つ、1つ丹精込めて作られたお六櫛を求める人は後を絶ちません。

親子2代3代と引き継がれてゆくお六櫛。

その生産工程は完成後の包装まで入れると、およそ8段階となります。

各工程で作業が異なるのはもちろん、それに合わせて使われる道具も当然、変わってくるのです。

一体、どんな材料や道具で、どのような工程で作られているのか見てみましょう。

 

  1. 1.削り

    ”削り”には荒手工鉋や上手工鉋を使用。櫛木を下削りして原型を作ったり、櫛の幅を決めたり、また櫛の歯形の筋線付けをしたりします。

  2. 2.歯挽き

    ”歯挽き”には歯挽き鋸を使用。筋付けした線に沿って、歯を1本ずつ左から右方向へ歯挽き鋸で櫛の歯を作っていきます。

  3. 歯通し

    3.”歯通し”には歯通しを使用。歯挽きとは逆に右から左方向へ歯通しを行い、歯先を整えます。その良し悪しが完成後の髪の毛の梳き具合を左右するため、大事な工程の一つとされています。

  4. 4.山抜き

    ”山抜き”には山抜き鋸を使用。歯元の不揃いを整えます。櫛の命と言われる重要な工程です。

  5. 5.耳突き・耳丸め

    ”耳突き”“耳丸め”には耳突き鉋や耳丸め鉋を使用。櫛の角を丸く削ります。

  6. 6.磨き

    ”磨き”には木賊の木(トクサノキ)、シュロ、坊主貝を使用。トクサノキの木片で櫛のしのぎから歯先へと入念に磨きをかけます。また櫛の表面の磨きや艶出しに欠かせないのが坊主貝です。磨いた後の木の粉などをシュロやブラシで払い落すシュロかけもこの工程に入ります。

  7. 7.油ひき・総仕上げ

    ”油ひき”“総仕上げ”には椿油を使用。手の平で櫛全体に椿油を擦り込んでいきます。歯の通りをよくする、目肌の色や木目を美しくするのに必要不可欠な工程です。

  8. 8.鞘差し・包み

    ”鞘差し””包み”で完成となります。布製のカバーや、丈夫な紙箱などに入れて販売されます。

 

日本遺産としても文化庁が認定するお六櫛は、まさに伝統工芸の美。

観光で現地を訪れた際、さまざまな種類の中から、実際に手に取ってみて確認するのがベストです。

お気に入りの一つをお土産として購入するのもいいですし、お誕生日や、各種記念日のお祝いに大切な人に贈るのもいいのではないでしょうか。

また外国のお友達へのプレゼントとしても喜ばれるに違いありません。使えば使う程、温もりが増す自然素材で作られたお六櫛は、生涯手放せない一品になることでしょう。

いずれにしましてもアマゾンや楽天などのネット通販や、取扱店のホームページから直接、注文・購入ができるようになっています。

ネットの口コミランキングやレビューを参考に、信頼できる業者から予算に見合ったお六櫛を選んでみて下さい。

 
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