アニメは人生を変える。
まさに私の人生はアニメによって変えられました。
時には絶望を、時には大きな希望を。
アニメや漫画は昔から日本の子供を魅了してきた文化です。
しかし、今その魅力が子供だけではなく、大人もキャッチできる作品が多く、ドラマや映画に並ぶ視聴作品として「アニメ」のポジションが確立されつつあります。
その結果、アニメは時に人の考え方や趣味、もっと言えば人生に影響を与える機会がとても多くなったと思います。
例えば「スラムダンク」・・・。
放送された当時は、爆発的にバスケットボール人口が増えました。
主に小学生に影響を与え、「バスケットボール少年団」に入団する人が増えました。
それが時代の変化とともに、影響を与える年齢層が上がってきているのです。
例えば「けいおん!」・・・。
アニメ放送しだすとそれまで男子が多かった印象があるバンドやギターなどをその影響でバンドを組んだりギターを始めたりする女の子が増えたました。
例えば「昭和元禄落語心中」・・・。
アニメ放送されてからは若い女性がその魅力に惚れ込んで落語にこぞってハマり出しています。
「おそ松さん」も女性を中心に大きな人気を集め、一大ムーブメントを巻き起こしています。
こうして人生のちょっとしたエッセンスになり、のちにはそれがいちばんの趣味になったりするかもしれない。
それほどにまでアニメが視聴者に与える影響が大きいと思います。
そして私もアニメに影響されてまさに人生が変わった瞬間が多い人のひとりです。
私がアニメによって絶望し、アニメによって救われたお話をしたいとおもいます。
「しゅごキャラ」でいじめを受けた話
私がアニメを見始めたのは小学校4年生の頃でした。
その当時、仲良くなった今でも親友の女の子がいて、その子は家族全員がいわゆるアニメヲタク。
仲良くなっていくうちにその子とその子の家族の影響でアニメを見始めました。
当時はごく普通の平凡な小学生の私に最初の影響を与えたアニメが「しゅごキャラ」でした。
女の子なら誰でも好きな「普通の女の子が変身して仲間と一緒に魔法で悪者を倒していく」というストーリー。
日曜日の朝にやっていたアニメです。
小学6年生だった私はしゅごキャラにどっぷりハマっていましたが、当時の私ははずかしくてその友達以外にアニメが好きということを隠していました。
幼心なりに(そんなことは絶対にないけれど)ヲタクということが恥ずかしいこと、という意識がどこかにあったのだとおもいます。
しかし、やはり小学生の隠しごとというのはバレやすいもので、親友にみせるためにもってきていたしゅごキャラのキャラクターのキーホルダーをクラスの男子にみられてしまったのです。
小学生というのは単純なもので、自分が「変」だと思うものについて・・・あたかも世界の全ての人がそれは「変である」と主張してきます。
案の定、その男の子から「お前アニメヲタクなのかよ!きもちわりぃ!!」といわれ、それがきっかけでいじめを受けるようになりました。
これがアニメによって大きな絶望を与えられた経験です。
いじめは卒業式ギリギリまでつづきました。
もうダメだ、つらい、学校行きたくない、そんなふうに思い始めたころ、親友が
「卒業式の服さ、2人でしゅごキャラのガーディアン(アニメの中で生徒会のようなもの)の制服でいこうよ!!」
という提案をしてきたのです。
しゅごキャラのガーディアンの制服は赤いチェックのとにかく可愛いアニメ!って感じの制服だったんです。
当時いじめらてるわたしはもちろん無理!と言いました。
しかし親友のごりおしに押し切られ・・・結局2人でガーディアンの制服を着るはめに・・・。
卒業式当日、ビクビクしながら親友と一緒の制服を着て卒業式へ向かいました。
学校へ着いてみんなにみられ、あぁまた何か言われる・・・とおもっていると、
「え!ガーディアンじゃん!かわいい!」
と言ってくれる女の子がたくさん寄ってきました。
びっくりしたけれどとてもうれしかったんです。
久しぶりに普通に同年代の友達と話せたことが・・・。
もちろんいじめグループはバカにしにやってきました。
しかし、まわりの女の子たちが「うちはいいとおもう!あんただってナイキすきで全身ナイキじゃん、なにがちがうの?」とフォローをしてくれました。
ナイキ過ぎて全身ナイキ。笑
私にとってこの言葉は名言です。笑
まわりの女の子たちは、いじめられていた私を助けたくても助けられなかったということをその時初めて知りました。
仲直りをして以降・・・アニメがすきで言えなかったともだちも増えて卒業式の日から楽しい人生をあゆめています。
「しゅごキャラ」は私を絶望の淵に陥れ、同時に私を救ってくれたアニメとなったのです。
これがアニメに救われた最初の経験でした。
ジョジョの奇妙な冒険が与えてくれた奇跡
それから順調にヲタクのみちを親友ともども歩んでいた私ですが・・・
高校3年生の春、いきなり突発性難聴になってしまいました。(浜崎あゆみさんがなった病気と一緒です)
しかも高校3の春。
当時バレー部だった私の最後の「春の大会」が迫っている高校3年の春に。
絶望しました。
幸い、早期発見だったので3週間の入院で治るだろうと言われました。
それでも大会にでれないことが悔しくて毎日泣きました。
入院中の治療方法は単純で、気圧の高い酸素カプセルに3日に1度はいるというもの。
それによって神経が活発化されて徐々に回復傾向になるということでした。
どうやらそれしか方法がないらしく、しかもそれで治るのも断定はできないと言われ・・・それもまた絶望したおおきな要因でした。
部活もできない、片耳も聞こえないストレスで入院中ずっとイライラしていると3つ年上の兄がお見舞いに来ました。
その時、兄は興奮気味に「ジョジョのアニメみろおまえ!」と言ってきました。
片耳聞こえないのにアニメなんかみれないよとやけになって私は言いましたが、
「いやあれはみたほうがいい!まじでおもしろいから!スマホでみれんだろ!」と言ってきました。
そんなにアニメを見るタイプじゃない兄がそんなにハマったアニメとはなんだ・・・と思い見てみることに。
最初は絵柄や、くどーい世界観に少し抵抗があったのですが・・・やはり名作、とってもおもしろくてはまってしまいました。
それから毎日のように兄がお見舞いにきてくれてジョジョの話をしました。
その話題の中で出て来たのは・・・やはり「呼吸法」。笑
「呼吸法最強」「あれで俺も強くなるわ」「わたしも呼吸法でめっちゃ強いサーブうてるようになるわ」と、まるで小学生が「かめはめ波」に夢中になるように、呼吸法で強くなる話をして盛り上がっていました。
ついには2人でしっかりした呼吸から学ぼうと調べる始末。
君たちは歌手にでもなるのか・・・と思うくらい毎日腹式をやり、正しい呼吸を学びました。
そんなの事をして約1週間・・・まだ入院が1週間ちかくのこってるときに、起きたら急に耳が聞こえやすくなってることにきずきました。
これには担当のお医者さんもびっくり。
検査してみるとまだ完治はしてないけど格段に良くなってると結果がでました。
どうしたのだろうと話していると日々の過ごし方の話になり、そこで兄と呼吸の訓練をしてると話しました。
その結果、先生から言われたのが・・・
正しい呼吸や酸素をしっかり体に取り入れるようになったことで神経が活発化されたのかも
とのことでした。
千原お兄ちゃんも子供のころ、喘息を患っていましたが、毎日のように病院の屋上で
「WRYYYRYYYRYYYRYYYRYYYRYYY」
と叫んでいたところ喘息が治ったというエピソードを語っていた事を思い出しました。笑
結局予定よりも早く治り、約2週間の入院で退院。
春の大会はでれなかったけれど応援に行くことができました。
私は人生のどん底で2度もアニメの存在に救われたのです!(もちろん親友や兄の影響もありますが)
SNSなどでアニメは悪影響を与えるという言葉をよくみかけます。
うそーん・・・( ゚Д゚)
と思う人もいるかもしれませんが、必ずしもそんなことはありません。
現に私はアニメの影響で救われました。
そしてその影響でいま、アニメに携わるお仕事がしたいと思い・・・ありきたりではありますが、声優をめざしています。
いつか、今度は私が、私たちがつくりあげたアニメでだれかの人生を救う・・・まではいかなくてもその人の人生にちょっとしたエッセンスを与えられる存在になりたい。
そんな夢をもっています。
アニメに救われ、アニメに夢をもらった私だからこそ、出来ることがあると思うのです。