一気に大人気漫画の仲間入りを果たした「進撃の巨人」。
その中には人食い一族として名をはせた食人族がモデルとなった巨人が出ているのです。
ハンジが捕らえた巨人たちの名前をもう一度よく思い出してください。
その名前は?
「進撃の巨人」にてエレンが巨人化した後に、分隊長であるハンジが捕らえた巨人の実験をするからということで、興奮気味に巨人についての生態を語る描写があります。
最終的に女型巨人のアニによって殺害された巨人たちソニーとビーンです。
その巨人たちに名前を付ける際に以下のような描写があります。
この名づけの儀式で語られた内容が、実際にあった食人族の話をもとにした内容であるという都市伝説があります。
これ、実は本当にあった話なのです。
ソニー・ビーン事件
ソニー・ビーンとは実在した男の名前で、本名をアレクサンダー・ビーンといいます。
スコットランドのイースト・ロージアンで生まれたのですが、スコットランドでは「アレクサンダー」を「ソニー」と言う愛称で呼ぶ風習があるのです。
このソニーは16世紀に生まれ、若いころは家業である庭造りなどに従事していたのですが、やがて労働することに嫌気がさし、家を飛び出しました。
そして、自分とよく似た粗暴で怠惰な女性と出会います。
この女性の名前は記録がないそうです。
二人して労働はする気がなかったため、普通の生活をすることはできずにやがてギャロウェイ(ブリテン島西岸のノース海峡に面した半島:現サウス・エアシャイア)付近にあるバナーン・ヘッドの海岸にある洞窟で暮らすようになります。
※写真はイメージです
ここの地形は、二日に一度高潮に見舞われていました。
そのため、二人が暮らしている洞窟の入り口は水浸しになり、人が寄り付くことはほとんどなかったそうです。
その洞窟の奥行きは1.6kmもあったと言われています。
我々がイメージする洞窟はちょっとした洞穴ですが、1kmも超える洞窟だったのです。
2人が暮らす住処は見つかりましたが、それだけでは生きて行くことができません。
やがて二人は通りかかった旅人を襲い、金品を巻き上げるようになります。
しかし、すみかの問題をクリアしたのは良いものの、ここでも問題は生じました。
金品を売ると足が付いてしまうのです。
そのため、旅人が持っている現金で主に生活をせざるを得なかったのです。
結果的に、食べるものがなかなか手に入らない状態が続きました。
さあ、ソニーはどうしたのでしょうか。
皆さんならば、どうしますか?
ソニーの場合、ついに禁じられた手を使うようになったのです。
そう、人の肉を食うようになったのです。
ある肉は煮込み、ある肉はミンチにし、ある肉は焼いて食べるようになりました。
バラバラに切断した四肢は干して塩漬けにして保存がきくようにしました。
※写真はイメージです
さらに最悪なのが、この二人は子を持つようになったのです。
その子は子供同士でさらに子供を作り、あっという間に男27人、女21人の計48人と言う大所帯になったのです。
当然、その分の食料が必要になります。
教育は受けておらず、ろくに言葉もしゃべれない集団でした。
しかし、唯一備えた技術がありました。
それが、すばやく人を殺し、さばき、解体して食糧として加工すること。
旅人を襲う際には、必ず徹底した決まり事があったそうです。
- 5人以下のグループを狙う
- ターゲットがどの方向に逃げてもいい様に周囲に仲間を配置
こうした姿勢を貫き、決して生かして逃がすことはせずにして、足がつかないようにしました。
もちろん、失踪事件が相次いでいるという謎は街でも問題になっていましたが、ソニーを筆頭にした一族は25年も隠れてことに及んでいたのです。
しかし、ついに一人の男を取り逃がします。
その男は夫婦でそれぞれ馬に乗って街道をやってきたのですが、目の前で叩きのめされ、さばかれる妻の姿を見たその男は怒り狂い、死に物狂いで馬を飛ばして逃げ出したのです。
後を追おうとしましたが、幸運なことに20人以上の集団が通りかかり、ソニー達は手を引きました。
※写真はイメージです
逃げ延びた男は事の詳細を役所に訴え、ついに国王は400人の兵を率いてその一帯の捜索を開始します。
そして臭いを嗅ぎつけた犬が洞窟を発見し、ソニー達は捕らえられました。
その洞窟のありさまは本当にひどかったようです。
死体からはぎ取った金品や衣服が散乱し、人骨は投げ捨てられたように散らばっており、肉片はまるで肉屋のように洞窟に掛けられて上からつるされていました。
こうしてソニーら男は両腕両脚を切断されて失血死する処刑がなされ、女性たちは男性が処刑されるのを全て見届けた後、火あぶりの刑に処せられ、この事件は終止符を打ったのです。
※写真はイメージです
もう一度ハンジが言ったこと言葉を見返してほしい。
この事件の詳細とぴったり一致するのです。
そのため、これは「進撃の巨人」のモチーフとなったといってもいいかもしれません。
「進撃の巨人」中の年号や設定は我々が生きている世界とは異なったものですが、こうした現世界に起こった事件を切り取って展開されている世界観なのかもしれません。
だからこそ、我々の世界と密接に関わっているような感覚を受け、漫画は大ヒットしているのかもしれません。
ちなみに、ソニー一族が隠れ住んだと言われている洞窟は、密かに観光スポットになっているようで、猟奇的事件マニアや、恐いもの見たさの人たちがひっそりと訪れているそうです。